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古美術品を高く売るための基礎知識。古美術商ってどんな人?資格は??

驚かれてしまうかもしれませんが、結論からお伝えします。
「古美術商」という職業は厳密に定義されているものではありません。乱暴に言ってしまうと、自称すれば誰でも古美術商という事になります。
極端すぎて驚かせてしまいましたか?それではもう少し丁寧でわかりやすくカテゴライズし古美術商とはどんな職業なのかご紹介していきたいと思います。

概念としては「製造から100年以上」経った希少価値のある品を扱う「美術商」

古美術商という職業が内包されるとすれば「美術商」≒「アートディーラー(Art Dealer)」が該当します。美術商の仕事について詳細な説明は割愛させていただきますが、概ね皆さんのイメージしたもので間違いないかと思います。美術品を預かり、もしくは買取り、顧客に販売する職業とお考えください。

美術品として日本でもポピュラーなものとしては
・絵画や書画
・宝石や貴金属などの装飾品
・茶碗などに代表される茶道具
などが挙げられます。

では古美術品とは?どのような定義があるの?

古美術品に該当する言葉として「アンティーク」がありますが、これにも本来明確な定義はありませんでした。ですが現在では関税のために定義された「100年以上を経過したもの」という規定を世界各国が根拠に採用しています。
とはいえ、これらはあくまで関税のための定義であり、100年という数字にこだわり過ぎる必要はありません。わかりやすい例として、日本の大正時代を想像してみてください。大正時代は2019年現在からみて107〜93年前を指す元号ですので、丁度アンティークか否か跨ぎます。大正浪漫を漂わせるアンティーク家具を好む愛好家にとって、厳密に100年経ったかどうかを基準にするという話を聞いた事がありません。
やや暴論ではありますが、100年というのは1つの物差であるという程度に考えていただければ問題ありません。

話を「古美術商の定義」に戻すと、古美術商とは
・古美術商として行政から資格の発行や認定されるものは無い
・ビジネスモデルは近代の美術品を取り扱う美術商と類似する
・100年以上経過した作品を取り扱う
一旦ここまでまとめさせていただきます。

公安委員会から「古物商」の許可を受けなければ、骨董品も古美術品も売買する仕事はできない

つい先ほど古美術商としての資格や認定は存在しないとまとめたばかりですが、実は古美術商として活動するためには必要な資格が存在します。

意外と知られていない古物商許可

ヤフオクやメルカリなどのサービスが盛んになり個人売買がますます身近な存在になりました。そのため見落とされがちですが、古物を売買するためには古物商許可が必要であると法律で定められています。
古物とは「一度使用された物品(鑑賞的美術品を含む)中略 若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの」と定められており、購入したばかりの未使用品であっても該当します。

古物営業法で定められている区分は
・美術品
・衣類
・時計
・自動車
・自動二輪
・写真機類
・事務機器類
・機会工具類
・道具類
・皮革・ゴム製品類
・書籍
・金券類
と、細かく網羅されており、ほぼ全ての物品が該当すると考えていいでしょう。

では前述のヤフオクやメルカリを使い物を売る行為は違法なのでしょうか?もちろん必ず違法という訳ではありません。

古物商許可が不要なケースとして
・自分で使っていたものや使うために購入した未使用品を売る
・無性で譲ってもらったものを売る
・海外から買ってきたものを国内で売る
このような場合が挙げられます。

つまり、国内で完結する場合にはビジネスとして売買している訳でなければ問題ないと置き換えていいでしょう。

明確に違法行為となるケースとしては、ネットビジネスやサイドビジネスの入門として話題になった「せどり」等に代表される転売ビジネスです。また、アイドルやオリンピックのチケットの転売も問題視されている事はご存知かと思います。個人の趣味やご遺族の収集品としての骨董品や古美術品を売却する分には問題になりませんが、明らかなビジネスと見做される件数の取引には指摘が入る可能性も考慮する必要がある事はご注意ください。

古美術商として活動する個人や法人で古物商の許可を受けていない場合にはまず違法行為である可能性が高くなります。さすがに基本的な許認可の問題ですので滅多にない事ではありますが、最低限の確認として古物商の許可について確認してみるのもいいかもしれません。

大切な古美術品を売却するならどんな古美術商に相談すべき?

専門の資格もなく定義も曖昧。となれば、どんな古美術商に査定してもらえば良いのでしょう?さまざまな要因がありますが、ここでは「高く売却できる」この2点を軸に考えていきます。

まず言えることは、古美術商ごとに得手不得手なジャンルがあるという事です。

東洋美術は得意だけど西洋美術は苦手。茶道具と家具だけが専門。絵画の中でも特定の年代だけ扱う。など、得意な分野が狭いことも珍しくありません。これは必ずしも古美術商の個人的な趣味趣向ではなく、シビアな業界で生き抜くための選択と集中とも言えます。
古美術の世界は奥深く、全ての古美術品には「定価」や「メーカー希望価格」といった概念が存在し得ません。その古美術品に価値を見出す顧客同士が提示する金額により価格が変動します。さらに特殊なことに、真贋の鑑定が非常に難しい点が挙げられます。100年以上経過したもので且つ誰かが高値で買ってくれるもの。これだけのカテゴリーでは膨大になってしまいますし、それら全てを鑑定し買取る行為は非常にリスキーです。そのため、一般的に古美術商は得意分野を絞りリスクを回避していると言い換えることができます。
そのため、当たり前過ぎる話ですが古美術商を選ぶ際にはご自分が売りたい物を得意としているかどうかを確認することがスタートラインとなります。

では得意不得意を確認するにはどんな方法があるのでしょう?

一番簡単な方法は、やはりホームページでしょう。例えば明らかに刀剣と仏像しか扱っていないホームページのお店に絵画を持ち込んでみたところで断られるか中抜きされて他の業者に丸投げされるかもしれません。少々面倒かもしれませんが、トップページだけではなく取り扱っているジャンルや実績のページまで確認してみる事をオススメします。

また、ホームページ上に掲載している買取実績が少なくても、実は膨大な実績をもっているケースもあり得ます。なぜなら、売却したお客様の意向で掲載できない事情も多いからです。売却の事実をご家族やご友人に知られたくない。税務署方面から連絡が来てしまう(笑)。などなど、それぞれご事情に考慮し買取日時や金額を必ずしも掲載できる訳ではありません。ですが「ホームページに掲載する事は許可しないが、オフラインでカタログ等に使用する分には許可する」といった限定的な許可をいただくケースも珍しくありません。
あなたが売却したい古美術品を取り扱っていそうだと判断できた場合には、電話やメールなどで取り扱い実績について探りを入れてみるのも良いでしょう。

取り扱っていないだけであれば少なくとも取引が成立しないので損をする事はありません。ですが、残念ながら世の中には不得意な分野の品物でもとりあえず偽物として二束三文で買い叩いてしまう方法を選ぶ業者も存在します。
恐らくこのケースが最も大きな損害を被ることになるため、是非避けていただくよう注意してください。以前投稿した古美術品の売却方法3選。メリット・デメリットを徹底比較。
こちらの記事で対策を紹介していますので、併せてご活用ください。

最低限のリサーチはあなたの古美術品を守るために必要な労力。

誰だって苦労するより楽をしたい。それは人間らしい当然の感情です。ですが、希少で価値をもつ古美術品を適正価格から程遠い金額で取り上げられてしまうリスクと後悔に比べれば、ここで紹介した方法程度は苦労の内に入らないと思っていただけてる事と思います。

同業者への批判と思われてしまうと色々と不便が生じるため、この記事内では紹介しきれない情報などもたくさん存在します。古美術品、古美術商選びでお悩みの際にはお気軽にご相談ください。あなたにお役立ていただける情報をコッソリお教えします。

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